2, 字義としては、「皇太子」とは、「次期皇位継承者の第一順位にあたる、皇帝の男子」のことである。
王位継承の第一順位の王子については、王太子(おうたいし)または王世子(おうせいし)のように言うこともある。「○太子」の言葉自体がいずれ「○」の地位を継ぐ「(男の)子」を意味するため[2]、君主の地位が王である場合には王太子の名称を用いるのが正確といえる。また、君主の地位が大公・公・侯である場合、太子ではなく世子を用いる。[要出典]
しかし現在の日本のマスメディアによる報道などでは、対象が次期国王や次期大公であっても「王太子」・「大公世子」の語は用いられず、「皇太子」を用いるのが通常である(イギリス王室のウェールズ公チャールズ→呼称:チャールズ皇太子)。[要出典]
ただし歴史上の人物については、慣例に従って「王太子」の語も用いられる。また次期皇(王)位継承者が弟、孫であるなら、「皇(王)太弟」「皇(王)太孫」の名称を用いるべきともいえるが、実際にはひっくるめて「皇太子」の名称が用いられている。なお、西欧の言語においては、「皇帝か国王か」「子か孫か弟か」に応じた称号の使い分けは見られず、例えば英: Crown Princeの語が用いられる。[要出典]
一方で西欧の言語では、性別によって称号が異なることが多く、女性の次期君主位継承者の称号は、例えば「英: Crown Princess」の語が用いられる。漢字文化圏では「皇太女」(こうたいじょ)または「王太女」(おうたいじょ)と表記されることがある[2]。実例としても、古代中国の唐の安楽公主について「『皇太女』に立てようという動きがあった」と『資治通鑑』等に記されている。
日本の皇室においては、性別における称号の使い分けが行われず、日本で唯一の女性皇位継承者となった即位前の孝謙天皇(8人10代存在した女性天皇の一人、重祚後は称徳天皇、第46・48代天皇)について、『続日本紀』は「皇太子」と記している[3]。2005年(平成17年)の小泉純一郎政権下での「皇室典範に関する有識者会議」報告書においても、「天皇、皇太子、皇太孫という名称は、特に男子を意味するものではなく、歴史的にも、女子が、天皇や皇太子となった事実が認められるため、女子の場合も同一の名称を用いることが適当である」とされた[4]。