アンソニー・バージェスは著書『1985年』のエッセイ部分で、オーウェルは「ビッグ・ブラザー」のアイデアを第二次世界大戦中の広告から得たとしている。ベネッツ(Bennett's)という通信教育業者のポスターには、親切そうな老人であるベネット自身が描かれ、学生に助言や支援を申し出るような内容と共に「あなたの父親にさせてください(Let me be your father)」と書かれていた。しかしベネットが没すると、その息子が会社を継いだ。ポスターの写真は父親の顔から息子の鋭い顔つきのものに替えられ、文章も「あなたの兄にさせてください(Let me be your big brother)」と変えられたという。